マーケティング上の課題を整理し、リサーチによって明らかにすべきテーマに変換したうえで、「仮説の構築」を行い、マーケティングリサーチで「何を」「どんなふうに」明らかにしていくのかの骨格を作っていきます。

「仮説の構築」とは

たとえば、「商品の売上が低下している」という課題がある場合、その背景となる要因について、製品・価格・流通・プロモーションなどの構成要素に分解し、どの要素にどのような問題がありそうかを、あらかじめ予測しておきます。
※考慮すべき構成要素の詳細は前項「~マーケティング上の課題を発見する~」

具体的には、

  • 競合他社の新商品と比べてデザインが古く見えるのではないか
  • 市場では低カロリー志向が高まっているが、自社商品はカロリーコンシャスでないため敬遠されているのではないか
  • 流通としてはスーパーマーケットをメインに配荷しているがコンビニエンスストアのほうがふさわしいのでは…

などの考えうる原因をあげていきます。
リサーチを実施する際に、「商品の認知率」「広告接触率」「ブランドイメージ」といった、取得したいデータの種類を明らかにしておくだけでなく、マーケティング上の課題に対して「それがどのような結果になってあらわれるか」をあらかじめ予測しておくことが「仮説の構築」であるといえます。

こうした仮説は、クライアント様が強くお持ちの場合もありますし、事前にお話をうかがう中で固まっていく場合や、あらためて別の要因の仮説に思い至る場合もあります。いずれにせよ、企画の段階でさまざまな側面から課題を検討し、仮説を構築します。

仮説構築の前に…入手可能なデータの確認を

また、仮説をより確かなものとするために、課題の裏付けとなるようなデータをあたっておく必要があります。
かんたんな例では、「商品の売上が低下している」ことが課題と一言でいっても、
下記の2つでは大きな違いがあります。これらはいずれも売上データから把握することができます。

  • その商品の属する製品カテゴリーの売上が全体的に低下しているのか
  • それともその商品のシェアのみが低下しているのか

この段階で、「製品カテゴリー全体の売り上げが低下している」のであれば、製品カテゴリーに対する消費者マインドの変化を把握する必要がありますし、「自社商品のシェアが低下している」ということになると、競合他社との差がどこにあるのかを検討することになり、実施するリサーチの内容も大きく異なってきます。

後者であれば、「競合他社との違い」をリサーチで確認する企画を立てますが、事前のデスクリサーチによって、パッケージのリニューアル履歴、キャンペーン・広告などプロモーションの実施状況、流通経路などの要素ごとに、競合他社との相違点を確認することも可能です。
こうした事前のリサーチで得た事実をひとつの前提条件としてとらえた上で、「商品の売り上げが低下している」ことに対して、「リサーチで確認すべき要因」の仮説を構築し、調査票(質問文や選択肢)に落とせるように整理していきます。

「仮説構築」の目的

ある程度慣れてくると、事前に「問題はおそらくこのあたりにありそうだな」という予想ができるようになると思うのですが、実感としては、「仮説づくり」のプロセスは、クライアント様とのディスカッションも含めてできるだけ入念に行っておくべきと感じています。

ひとつには、仮説づくりを行うことで、リサーチで把握する課題が明確になるだけでなく、「競合と比較する」「スーパーマーケットユーザーとコンビニユーザーを比較する」といった分析上の視点も明確にできることから、分析の”迷走”をあらかじめ防ぐことになり、得たい結論にいち早くたどり着くことができるためです。

さらに「リサーチで明らかにすべき課題」だけでなく、「調査では把握しない(できない)部分がどこか」もクリアになり、リサーチで達成できる目的を認識した上でプロジェクトを進めることができる、という点も大きいかと思います。

リサーチャーの視点では

実は、仮説を構築することで、その仮説の範囲内での結果しか得られず「思いがけない発見」に至る可能性は小さくなるため、「そんなことは調査しなくてもあらかじめわかっていたな」と、調査結果をつまらなく感じる側面もあります(特に時系列で行っている定点調査ではそういったご意見をうかがうことがままあります)。
しかし、仮説がふんわりした状態で調査を実施し分析を進めていくと、「要因は〇〇である」と確信を持てる結果を得ることは確実に難しくなります。リサーチで確認する範囲を決め、余裕があれば「思いがけない発見」につながるような周辺事情を把握するための設問を入れておく、といった工夫も必要になります。

アンド・ディでは、調査の企画立案時に丁寧にお話をうかがった上で仮説構築のプロセスを行い、無駄のないリサーチを実施することを心がけております。事前のデスクリサーチとディスカッションのプロセスで課題が解決するケースもありますので、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。

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