わかり易い表現を
調査票の設問文作成にあたっては、あいまいな表現や誤解の余地がないわかりやすい文章で表現する必要があります。まずは、聞くべきことがはっきりと限定されていることが必要です。「あなたが、この1週間の間に購入したペットボトル入りの飲料として、あてはまるのも全て挙げてください」といったように、回答者に対して「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「いくつ」などを限定し明確にします。
主語は、回答者自身なのか、家族まで含むのかなどくどいようであっても省略しないようにします。期間も”最近”や”ここ数年”などあいまいな表現ではなく、過去のいつまでさかのぼるのか、いつからいつまでの期間なのかを明示します。商品などを尋ねる場合は、商品カテゴリ全体なのか、形状などによって限定しているのかを明確に尋ねる必要があります。用語の定義に不明な点や誤解を招くところがなく、誰が回答するとしても理解される言い回しとすることも重要です。
これらを満たしたうえで、わかりやすい質問文とする必要もあります。
1)簡潔なこと
2)1つの設問では複数を1度に尋ねず1つのみの質問文とすること
3)回答を誘導しないこと
4)わかりやすい言葉使いとすること
などを意識し、回答者が何を尋ねられているのか認識しやすい文章を作成します。
1)簡潔なこと
前述の通り、明確な表現は必要ですが、前置きなどを付けすぎて文章を長くすることなく簡潔な文章を心がけます。
2)1つの設問では複数を1度に尋ねず1つのみの質問文とすること
複数の設問を一度に尋ねると、どちらか一方についてしか回答しないなど明確が回答が得られにくくなります。
3)回答を誘導しないこと
いうまでもなく正確な回答が得られなくなるため、誘導するような設問文になっていないか注意が必要です。
4)わかりやすい言葉使いとすること
業界用語や専門用語に注意し、わかりやすい表現とするよう心がけが必要です。
また、回答者に反感やひがみを感じさせない文章とすることも重要です。加えて、「使う」「買う」の明確な区別も必要です。高性能なパソコンは「使いたい」と思っても価格的に「買いたいとは思わない」のようなケースもあるためです。
設問の順序に気を配ろう
設問順も回答のしやすさや、順序によってはバイアスにつながる可能性があるため配慮が必要です。
序盤は深く考えたり迷ってりする必要がなく、簡単に答えられるような設問とします。テーマに沿った簡単な設問とすることで、何に関するアンケートであるのかを認識してもらい以降の設問につなげていきます。
続くメインテーマおよびその関連設問部では、設問の関連性を配慮し一貫性を持たせて回答しやすくする必要があります。一貫性がない設問構成は、回答負荷が高まりますし、正確な回答聴取もしにくくなります。また、バイアスにつながる可能性がある設問は調査票の後半に配置することも重要です。例えば、商品Aの魅力ポイントを回答させたのち、商品Aと商品Bの評価を尋ねれば、設問文内に誘導するような内容がなくとも商品Aの評価が高くなりがちです。そのため一般的な設問などは前半、バイアスにつながる可能性のある設問は後半に配置します。
設問順ではありませんが、選択肢の提示順にも配慮が必要です。ブランド名やイメージ項目などを尋ねる設問は、提示された前半の選択肢を回答しがちとなります。ネット調査であれば提示順にランダマイズをかけるなどして、提示順によるバイアスを防ぐ工夫も必要となります。
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