実査を行ったあと、集計を経て、リサーチ結果を報告書にまとめます。リサーチ報告書は、ほとんどの場合、当初にご提案した企画書を基に作成します。
企画書ではあらかじめ調査の背景や目的、仮説に応じて、調査対象や調査方法を選び、仮説検証のための分析の指針を明示しています。また、調査項目は、検証したい仮説を分解した要素で構成されています。リサーチ報告書では、企画書に沿ってこうした要素を「再構築」していきます。「企画書作成のポイント」はこちらから

リサーチ報告書の構成要素は、大きくは以下のように分解できます。

  • 調査概要
  • 調査素材
  • 詳細分析結果
  • 結論

以下にて、弊社で作成する報告書の基本的な掲載内容を順にご紹介します。

調査概要

企画書に掲載された内容をほぼそのまま転載します(ただし費用については記載しないことがほとんどです)。
どのような調査を行ったかが一目でわかり、報告書をご覧になる方に、調査の「前提条件」を理解していただくための重要なページです。
そのため、調査報告書をコピーしてご活用になる際は、「調査概要」も必ず一緒にコピーしておくことをお勧めします。

調査の背景・目的

この調査を実施する経緯・きっかけとマーケティング課題、およびリサーチで明らかにする具体的内容を簡潔に示します

実施方法

インターネット調査、郵送調査、インタビューなどの調査方法の種別を記載します

調査対象

調査目的に応じて計画した対象者がどのような条件にあてはまる人であったかを記載します。

回収サンプル数

計画に対して、実際に回収したサンプル数を、性・年代などのセグメント別に記載します

注意点

掲載された集計データに関する注意点(ウエイトバックの実施や著しいサンプルの偏りについての解説など)、データを見る際の凡例(全体値+●ポイントに網掛けなど)など、最初にまとめてご説明すべき点を記載します

調査素材

リサーチ報告書として作成する際は、参考資料として巻末につけるケースがほとんどです。調査票や提示した画像などの素材を掲載します。結果のご報告の際には、「調査素材」についてのご説明を割愛することも少なくありませんが、最低限でも調査概要と素材があれば、調査を再現する際の参考として利用することができますので、実は重要なパーツでもあります。

詳細分析結果

クロス集計や多変量解析の結果などのデータをビジュアル化し解説を加えたページで、多くの場合、報告書の中で最もボリュームのある部分です。おおむね調査票の質問順にデータを掲載していきますが、調査の目的(≒お客様のご要望)、ストーリーの組み立てに応じて順序を入れ替えることもあります。
あるサービスの利用実態調査を例にとると、【A】【B】のような構成があり得ます。

【A】質問順にデータを記載するケース
【B】サービスの浸透度や今後の利用意向などの重要指標を先に把握し、続いて詳細部分を確認するケース

また、データは集計した数表のままでは理解しづらいこともあるため、グラフやチャートを作成し、読みやすく・わかりやすく表現します。検証したい仮説に合わせてクロス軸を設定して集計している場合は、「見たいターゲット」の結果が目立つようにグラフ・チャートを作成するといった工夫をしています。

このように表現したデータに対して解説を付与する際には、1つのグラフやチャートの数字から読み取れる「事実」を記述し、背景要因の「推測」やリサーチャーの「意見や提言」とは明確に区別するようにしています。
グラフやチャートの工夫によって結果が一目瞭然に理解できるようであれば、解説は省略することもあります。

結論

リサーチ報告書の結論は、詳細分析を重ねた結果を「要約」したものです。また、得られた結果からマーケティング課題を解決するための手段や選択しうるオプションを提示する「提言」も記述します。

結果の要約

結果の「要約」については、「市場の実態を把握するための調査」と「仮説を検証するための調査」とでは調査の目的自体が異なるため、書き方も異なります。

実態調査

目的:新しいサービスを投入したいが、類似サービスの利用実態など市場全体がよくわからない

  • 類似サービスを含めた市場を把握するために、指標として設定した質問項目に対する結果をもれなく箇条書きし、スコアを記載する

仮説検証型調査

目的:既存サービスの利用率が低い原因についての仮説が正しいか検証したい

  • 結論として仮説が正しかったかどうか、またその根拠を調査結果からデータを抜粋して記載する
  • 仮説が正しくなかった場合には、それなりの背景があるため、あらたな仮説や想定外の要因を考察し、それについてのリサーチャーの推測・意見も述べる

提言

詳細分析や要約だけでも、目的に対応する調査の「結果」の提示は十分にできているべきですが、それだけでなく、調査結果に基づき「マーケティング戦略はどうすべきか」について提言をまとめます。ここまでで「事実」については記述済みですので、課題を解決するための手段、ターゲット、注意すべきことなどについて、事実よりも一歩踏み出した範囲のリサーチャーの「意見」をまとめます。
弊社では、企画と分析が2名以上で案件にあたることも多いことから、複数の意見をすり合わせ、多角的に検討した上で提言をまとめています。

全体の結果を可能な限り早くご報告するため、詳細な分析に先立って「トップラインレポート」を作成する場合もあります。
その場合は、「結果の要約」と「提言」を先に作成するイメージで、集計が終了すると同時に作成します。

①詳細分析後でも矛盾が発生しないレベルで確実な事実の要点
②仮説が検証されたかどうか
③新しい仮説の有無
④マーケティング戦略はどうすべきか

という観点1〜2枚程度のレポートにまとめます。

リサーチャーの視点から

実態調査のように調査内容を網羅的した報告書を作成する場合や、仮説検証型調査のように企画書で提示した分析計画に従って報告書を作成する場合、それぞれ目的に応じて様々な考慮すべきポイントがあります(分析量によって工数も異なりますので、ご予算との兼ね合いも考慮する必要があります)。できるかぎりわかりやすく短納期で目的に適う結果をご提示できるよう、報告書の構成や表現方法について毎回案件ごとに様々な工夫をしています。
最近では、結果を素早くご提供することを目的とするケースも多く、必ずしも「報告書」という体裁をとらず、集計結果のみをご提供することもあります。その場合でも、単なるクロス集計表ではなく、見たい数字を素早く見られるような工夫(全体値に対する高低や検定結果の表示)をしてご提出するよう心がけています。

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