2025年4月にDMOに求められる必須KPIが改定されました。
観光庁は観光地域づくり法人(DMO)についての新しい登録ガイドライン及びKGI・KPI計測に関わる手引書を4月に公開いたしました。

新しい必須KPIでは、従来の必須KPIとされた消費額や宿泊者数、満足度といった対旅行市場のKPIばかりではなく、観光事業者の平均給与やDMO職員の満足度と行った幅広いデータの取得を要請している点で、地域におけるDMOに新しい役割を期待するものとなっています。
アンド・ディでは従来よりDMO(観光地域づくり法人)による観光施策をご支援するための「トラベラーインサイト」をご提供しておりました。今回の新しい必須KPIの策定に伴い、調査のフレームを新しく設計いたしましたのでご案内いたします。
新しく追加されたKPI

今回新KPI体系として公開された表を確認してみますと、従来のマーケティング指標に限らず、様々な観光地経営、DMO組織経営の指標を求められていることがわかります。
具体的な値について下記に整理してみます。
マーケティング
- 旅行消費額(既存)
- ◎1人あたり旅行消費額(新規)
- 延べ宿泊者数(既存)
- 来訪者満足度(既存)
- ◎月別来訪者の平準化率(新規)
マネジメント(対地域)
- ◎経済波及効果(新規※3年毎)
- ◎観光事業者の平均給与額(新規)
- ◎持続的な観光に対する住民満足度(新規)
マネジメント(組織運営)
- ◎職員満足度(新規・必須)
- ◎安定財源確保率(新規・必須)
- ◎投資収益率(新規・推奨)
新規の指標には◎をつけておきました。従来のマーケティング指標のみならず、観光事業者や地域の住民への目配りが必要となっていることがわかります。
また、DMO組織そのもの指標も求められる点が自走できるマーケティング組織としてのDMOへの期待の高さを物語っていると言えます。
アンド・ディの考える新しい観光地経営と定量化
観光事業者・住民・来訪者の3視点を定量化し、観光地経営を支援します。
観光地域づくりの推進役を担うDMO(観光地域づくり法人)にとって、地域の持続的発展には、正確でタイムリーなデータに基づいた判断が不可欠です。
しかし、観光事業者・住民・来訪者といったステークホルダーそれぞれの意識や意向を継続的に把握することは、決して容易ではありません。
アンド・ディが提供させていただく「観光マーケティングリサーチ」は、
三者の視点を定量的に捉え、観光地経営に活かせる“新規必須KPI”の取得を可能にするDMO専用の調査メニューです。
新規必須KPI
・観光事業者=観光従業者の満足度
・住民=持続可能な観光に対する満足度
従来必須KPI
・来訪者=総合満足度、リピーター率、エリア内旅行消費額(総額/1人あたり旅行消費額)
3つの調査で”地域の今”を見える化
日本版DMO(観光地域づくり法人)に求められるのは、地域の多様な声を受け止め、調整・推進する「舵取り役」としての役割です。DMOメンバーとの会話では以下のようなお悩みを伺うことが多いです。
・観光事業者・住民との連携にギャップを感じている
・観光事業者との合意形成を図る上で、観光地域づくりへの意識や課題を把握したい
・観光事業者・住民にDMOの活動がどう受け止められているのかわからない⇔DMOの活動インパクトがどの程度あるのか可視化したい
・来訪者の満足度とリピーター率、消費額は取得しているが、なぜこのような評価に至っているのか?背景がみえない
・来訪者満足度調査の結果の活かし方がわからない
観光の実態と可能性を、”「事業者」「住民」「来訪者」の3視点から明らかに。”データに基づいた観光地経営のお手伝いをいたします。
3つの調査メニュー
赤字:新規必須KPI項目
【1】事業者調査
– 観光振興の恩恵実感・関与度
– 活動満足度・労働力課題
📊 価格:90万円~(税別)
🧰 紙・Web併用調査票作成、回収+分析レポート
【2】住民調査
– DMO活動の認知・共感・活動評価
– 地域変化の評価・将来展望・コミット力
📊 価格:100万円~(税別)
🧰 調査票印刷~発送、紙・Web併用調査票作成、回収+分析レポート
【3】来訪者調査
– 属性分析、満足度、消費額、ロイヤルティ
– 周遊率・体験価値の評価
📊 価格:20万円~(税別)
🧰 Web回答画面作成+回収+分析レポート(集計・分析レポートなしの場合は0円~)
分析結果が「行動」に変わる
単なる数値の羅列ではなく、「次の一手」に直結する分析レポートをご提供します。
DMOの運営改善や観光戦略の立案に活用していただけるよう、エリアの状況やお客様の課題に沿った分析・考察をご提供します。
活用事例として、多様なステークホルダーと結果を共有するための結果ダイジェスト(主要項目を抜粋し結果や変化をより理解しやすくしたレポート)を作成し、合意形成に役立てていらっしゃるDMOも増えています。
以下はトラベラーインサイト(来訪者調査)のレポート例です。
特に興味を持っていただいているのは「現在この地域の満足度を支えている資源や品質・サービス」「今後優先的に対応することでより満足度をアップすることができる資源や品質・サービス」を可視化している部分です。
レポート例:トラベラーインサイト(来訪者調査)


ただし、調査結果は「答え」そのものではありません。行動につなげるためには、“なぜこのような結果になっているのか”という疑問や関心を持ち、そこから『次の一手』となる方向性や可能性を見出すことが重要です。
DMOのマーケティング担当者に求められるのは、単にデータや分析結果を提示することではありません。そのデータを根拠として戦略を導き出し、関係者に理解・共感してもらえる「切り札」として提示することが求められます。
アンド・ディでは、調査結果のご提出だけではなく地域に寄り添ったデータの見方やご相談などアフターフォローも実施しております。
【参考リンク】
各種ツール(ガイドブック・手引書 等) | 観光地域づくり法人(DMO) | 観光政策・制度 | 観光庁
観光地域づくり法人(DMO)による KGI・KPI 計測に係る手引書 ver1.0001885847.pdf