2025/06/02
市民意識調査の郵送ハッキング【代表コラム2025/6/2】
2025/05/26
代表の佐藤です。コラム書きました。時事テーマです。炎上しないといいな笑。
私はマクロ経済がわからない。皆目わからない。トランプ関税できっとひどい混乱が起きるんだろう。ぐらいの雑さで理解してる。とはいえ、経営者の端くれとしてマクロ経済は学びたいと常々思っている。でもアメリカの関税が上がると我々リサーチ業にどんな影響があるんだろうか。。。ぜんぜんわからん笑。
そんな中、そういえばコメをスーパーで買うかどうかの発言を巡って農林水産大臣が交代したのだった。小泉新大臣によると5キロ2,000円という価格で販売されるように特定の業者に随意契約をするようなニュースが流れている。これなら安心なんだろうか。
市場調査業、特に家計調査に代表されるような価格調査の観点で言えば、極めて興味深いテーマではある。とはいえ先に述べたように、マクロ経済がわからないからよくわからない。備蓄米は2,000円で販売できたとしても、それ以外の米は2,000円で売れるんだろうか。円ドルレートのように投機的な取引が多いのであれば、口先介入も価値がありそうな気分にもなるが、そのあたりの統計的な事実をあんまり追ってないのでよくわからない。
ここまでの文章で「わからない」が5回も出てきた。さすがに恥ずかしいから少し調べたメモを書いておきます。。
まず基礎知識として、
農水省による相対価格の推移をチャートにしてみた。
米の相対取引価格・数量、契約・販売状況、民間在庫の推移等:農林水産省
相対取引価格のチャートを眺めてみると、明らかに令和6年産の価格から構造的変化がありそうに思える。
上記は相対価格という備蓄業者(主にJA)から小売業者に売り渡す価格である。
一方、実際のスーパー等で購入している価格については、小売物価統計調査を見る必要がある。
丁寧に追っている統計サイトを見つけた。
チャートはリンク先見ていただけると良いと思うが、やはり昨年8月から大きく変化している。
「全国のスーパーでお米5kg1袋の値段は?」小売物価統計調査による価格推移|日本の物価
この相対価格や小売価格については下記のNHKによるメカニズムの説明がわかりやすい。(もちろん私のような素人にとってという意味です。)
コメの価格が決まる仕組み 実は複雑?コメ価格が下がらない要因の1つはこれだったか?特殊なメカニズムに迫る | NHK | ビジネス特集 | 物価高騰
無料で読める(検索して出てくる)レベルの価格変化の理由に踏み込んだレポートとしては、下記の野村證券による記事がわかりやすかった。実需が復活しているのではないか?という説明。
備蓄米放出後もコメ価格が高騰しているのはなぜ? 答えは突然の需要回復 野村證券・山口正章 | NOMURA ウェルスタイル – 野村の投資&マネーライフ
ただ事実としては2024年8月に大阪でコメの先物がスタートしている。その影響だという仮説を持っている生産者もいるようだ。
【米の値段が高いのはなぜ?】知られざる先物取引の影響を農家が語る|米農家いち田|子どもたちの未来を守る米づくり
個人的には先物の取引量の実体への影響があるとはあまり思えない。しかし、実際の政策を受けて先物取引関係者が小泉新大臣の施策をどのように評価するかは興味深いところである。先物市場を作った意味があるというものだろう。
ちょうど介入内容が発表されたのが金曜日23日なので26日以降の取引でその影響を確認できるかもしれない。
堂島コメ平均® (米穀指数) – ODEX – 堂島取引所 Osaka Dojima Exchange
金曜日の終値のスクショをメモしておきます。
マーケットも勉強していきたいところですが、これだけ「マーケット」に国民的注目が集まっている中で、市場調査作業を通じた政策課題の解決に向けてなにかアプローチができたら面白そうな気がする。
そもそも、狂牛病対策で牛肉の個体管理体制が作られたように、コメの出荷の出荷ロット管理のような観察データは存在できないのだろうか。そのようなデータが適切に有り、流通状況を適切に管理できると買い占めしている業者がいるのでは?といった疑念に正しく答えられるだろう。
多分今は参院選前という状況による争点化が背景にあるのだろうが、今は急激な価格変化、短期的な施策にに注目が集まり過ぎているように思われる。野村證券の山口氏の言うように長期的観点でコメの生産体制をどのように構築していくのか?経済安全保障的にも重要なことのような気がするが、選挙が終われば関心が薄れそうで懸念が残る。