2025/08/09
ClaudeCodeとリープフロッグ【代表コラム】
2025/08/09
少し空いてしまった。代表コラムです。しかし暑いですね。お大事にお過ごしください。
さて世間ではChatGPT5が出て話題だというのに、完全にひと波遅れていまさらClaudeCodeを試してみた。ご存じない非エンジニアの方にも説明しておくと、プログラミングのあり方全く変化させる可能性があるとして、ここ数ヶ月?話題沸騰のAIコーディングエージェントがCaudeCodeです。このエージェントは既存のある程度実績あるプロジェクトだと少しリスクがあるので、ちょっとテスト的に書いてみるとか技術調査がてら簡単なプロトタイプを作るようなタイミングにならないと使えないというのもある。ちょうどそんなタイミングに恵まれたので試してみた。すごいことはすごい。今回基本的なプロトタイプの開発ということもあり、体感コーディングスピードが10倍ぐらいある。もちろんその背景にはエンジニアのメンバーのすぐに新規開発に取り組めるようなテンプレート類やコンテナに関する環境整備が背景にあると思う。実にありがたい。
驚き屋的にはこれでもうエンジニアは不要になる!と騒ぎ立てるところなのだろうが、正直全く逆の印象だ。
確かに、一定の基本的な水準のコードがかけるようになるまでのスピードは格段に上がったという事はある。しかし、そんなサンプルコードのようなもの積み重ねでプロダクトを作るには、AIコードの評価や間違ったところを的確に直せる技術が必要である。その点ではよく言われているように一定のベテランの稼働時間に対する作業効率を極端に高める効果が高いと思う。ロングテールのテールが広がっていくような印象だ。もちろんその反対側には遅々としてテール側に動かない山がある。その間は広がっていくんだろうと思う。その点では知の格差社会は確実に広がりを見せていく。そんな予感。
関連して思い出したキーワードをつなげておこう。昔梅田望夫さんの本で羽生善治さん言ったとされるが「知の高速道路」といったことを思い出した。もうWeb進化論が2006年だから20年前か。。。まさにAI化で知の高速道路がわかりやすく敷かれた環境で、その出口で渋滞を起こしている。というとあれだけど、実際のところまだあと数年は渋滞に参加するにも格差が発生するんだろう。その点で今更ClaudeCodeを試している。わたしもまだ渋滞に参加できているとは言えない。ようやく入口のランプを通ったぐらいだ。
もう一つ思い出したキーワードはリープフロッグだ。いわゆる途上国で既存の旧技術(というインフラ)がないことにより新技術の普及が急速に進む現象である。いま弊社の20代の若手エンジニアにとっては、エンジニア歴が5年にも満たないということは、ほぼAIの洗礼をエンジニアキャリアの初期の段階で浴びていることになる。おそらくこういうAIネイティブ世代のコードの書き方は私のようなロートルと大きく違うんだろうなということがいろいろ話をしていて感じるところがある。その様子がまさにリープフロッグを感じさせた。
エンジニアリングの世界では常にイノベーションが起きて、古い知識は最終的にはロストテクノロジーになる。学んでいくこと、学んでいくために必要な適切な知的刺激を得られる環境にいること。そんな事が大事な要素になるんだろうと思う。そんな環境をどう作れるのか、メンバー一人ひとりがモチベーションと技術的興味を持って自己研鑽できる環境を作ることも私の仕事かもしれない。
そんな弊社でのお仕事にご興味ある方はぜひお気軽にご連絡ください。