自地域に来訪するインバウンドの特性を把握するには?(データ無料公開)

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自地域に来訪するインバウンドの特性を把握するには?(データ無料公開)

先日、弊社より観光庁「インバウンド消費動向調査」の個票データを活用したエリア別分析レポートを無料公開するプレスリリースを配信しました。

【162エリア(47都道府県・115地域DMO)のデータを公開しています】

今回公開したのは、観光庁が年4回実施している「インバウンド消費動向調査」の個票データ(回答者データ)をもとに、162エリア別(47都道府県+115地域DMO)に、来訪インバウンドの属性や消費特性を集計・分析したデータの一部です。 ※対象期間:2024年10月~2025年9月

「インバウンド消費動向調査」は、個票データが公開されている数少ない政府統計調査ですが、こうしたデータから
 「自分の地域はどうなのか?」
 「他エリアと比べてどんな特徴があるのか?」
といった自地域のインバウンド特性を把握するのはそれなりにハードルが高く、活用が難しいという課題があります。

そこで、弊社では各自治体・DMO、観光関連事業者の方々が自地域のインバウンド特性を把握するための情報・データを把握できるしくみをつくり、提供する体制を整えました。
※インバウンド消費動向調査は【A1 全国調査】【B1 地域調査】【B2クルーズ調査】の3種類ありますが、弊社ではエリア別のインバウンド特性を最も把握しやすい【B1地域調査】を使って集計・分析しています。

 

【自地域のインバウンド特性を、他エリアと比較して確認することができます】

こちらは公開レポートの一例(石川県)です。当該エリア(石川県)を全国平均と比較し、自地域のインバウンド特性を確認することができます。47都道府県に限らず、任意のエリア(地域DMOや市区町村など)での集計・分析も可能です。

※こちらから47都道府県の公開レポートが閲覧できます。
※115地域DMO版の公開レポートについては、こちらからご確認ください(申請が必要になります)

また、このほかにも
・入国空港、出国空港
・訪問地(市区町村レベルまで確認できます)
・各訪問地で利用した宿泊施設、宿泊日数、支出金額(宿泊費、食費、娯楽等サービス費、買物代など)
・満足した商品・理由
・満足した飲食・理由
・訪日前に楽しみにしていたこと(自由回答) etc.
などのアンケート項目があるため、様々な分析が可能となっています。

さらに、調査時期、回答者属性(性別、年代別、国籍別、訪日回数別、その他諸々)での集計も対応しておりますので、「季節ごとの違いを見たい」「国籍別に特徴を見たい」「訪日回数別の特徴を見たい」といった様々な視点から自エリアに来訪するインバウンド特性を把握することも可能となっています。

【石川県の来訪インバウンドを見てみる】

たとえば、1年間(2024年10月~2025年9月)に石川県に訪れたインバウンドの国籍は、
1位 台湾(19.7%)
2位 米国(9.3%)
3位 オーストラリア(7.3%) 

となっています。全国平均と比べると、石川県は「中国」「韓国」など東アジアからの来訪者の割合が低く、さまざまな国からインバウンドが来訪していることが分かります。
北陸新幹線の延伸により、東京・京都・大阪を結ぶ「ゴールデンルート」に金沢が組み込まれ、移動の利便性が飛躍的に向上していると推察されます。

 

次に、訪日時期別・訪日回数別に来訪者の構成を見ていくと、また異なる傾向が見えてきます。

【訪日時期別】
・冬季(1-3月): 台湾、中国が上位
・夏季(7-9月): スペイン、イタリアが急増
夏季は長期休暇を活用した欧州圏からの周遊旅行の訪問地として石川県が選ばれやすいのに対し、冬季は春節(旧正月)などの休暇期と重なり、距離的・心理的に来訪しやすい近隣国(中華圏)からの来訪が多くなる傾向が見られます

【訪日回数別】
・訪日1回目: 米国・イタリア・オーストラリアが上位
・訪日2~4回目:台湾のほか、米国・オーストラリア・フランスなど遠方国も上位にあがる
・訪日5回以上: 台湾・中国・香港が圧倒的に多い
訪日1回目、訪日2~4回目の中堅リピーターのいずれにおいても、欧米豪からの来訪者が上位にあがります。初訪日の欧米豪の旅行者にとっては、石川県が持つ「京都のような伝統」と「現代アート」が共存する、質の高い日本らしさが大きな魅力となっていると考えられます。一方、訪日2回目以降の欧米豪層は、より深く石川県の文化を知りたい、地元の人とのふれあいを通じて地域の日常に触れたいといった関心が高い層なのかもしれません。

このように、さまざまな角度からインバウンドを見ていくことで、これまでにない気づきや示唆が得られます。ぜひ、今後のインバウンド施策を考える際のヒントとして役立てていただければと思います。

【文責・S】