2025/12/13
【代表コラム】知的生産の「型」としてのGithub(前半)
2025/12/13
代表コラムです。
生成AIが登場するはるか昔。少しまとまった文章を書こうとすると少しストレスを感じていたような気がする。
私自身大学の学部生ぐらいまでは全然レポートが書けなかったアホ学生であった。そのアホがなんとかテキストを書けるようになったきっかけは実はマーケティングリサーチのおかげである。今はしれっと代表を務めているアンド・ディの源流をたどると、リクルートのマーケティングリサーチのセクション(子会社だったこともある)にたどり着くが、実は私はその会社でアルバイトをしていたのである。今の会社のメンバーにはその時からの知己ももちろんいる。
バイトはもっぱらエクセルのマクロ書いたり、大好きなスプレーのりを使った単純作業だったりしていたが、たまにマーケティングリサーチのコメントを作成を頼まれることもあって、あんまり文章を書くのに苦手意識を感じていた私にとってはちょうどよいトレーニングだった。と今になって思う。
何しろ調査結果というエビデンスがあるので、そのエビデンスをテキストに変換する単純作業である。(今ならAIを使う話ですね笑)もちろん詩的な表現などは不要で、事実を素直に書いていく。そんなトレーニングをしているうちに徐々に自分の文章を書くときの型やカタチみたいなものができてきて、徐々に実証的なデータがあればまとまったテキストをかけるようになったように思う。
私の場合はそんな経緯である程度の文章(なぐり書き?)をかけるようになったが、そのような能力を獲得する過程には各人それぞれのカタチがあるのではないだろうか。
そういう知的な生産物をどのように頭の中でこしらえるのか、その処理プロセスは目には見えないから想像するしか無い。でも人それぞれ何かあるんだろうと思う。
ちょっと脱線した。
今はテキストを執筆することを対象に書いたが、そういう知的処理の型や形があるのではないかということが書きたい。
例えばプログラミング。一般には演算内容とデータで構成されると考えられる。要するに処理する方法とその対象からできている。その処理とデータを一般的な概念や関心毎にまとまりとして管理しよう。そのまとまり(モジュール)毎に管理することにより、より複雑なシステムをムリなく構成しよう。という考え方が一般にオブジェクト指向と呼ばれるものである。
このオブジェクト指向は今日のプログラミングでは欠かせない知的処理の型であると言って良いと思う。
そんな型化された知的生産のパタンとして知ってもらいたいのはgitあるいはそのWebサービスとしてのGithubである。一般的にはバージョン管理ソフトという説明が多い。しかし本当にすごいところはGithubというサイトにそのバージョン管理の履歴が一つのサイトにまとまっていることである。しばしばエンジニアにとってのSNSなどと呼ばれることもあるが、あながち間違ってない。ソースコードをオープンにしておくと全く知らない誰かがミスタイプを直すための修正(Githubの世界ではPull Requestと呼ばれる)をくれたりすることもある。
そんなGithubでの共同作業のやり方は、複数人での知的作業を進めていくうえでのデファクトスタンダーになっている用に感じる。もう少し踏み込んで言えば、プログラミングの幅を超えて集団的に仕事を進めていくうえでのち的な方になりつつあるように思うことだ。プログラムだけではなく、作家が小説を書く際にも使っているらしい。
世の中の小説作家と編集者は今すぐ Word や G Suite を窓から投げ捨てて Git と GitHub の使い方を覚えるべきだ #Git – Qiita
政治の世界でのチャレンジも実はたくさんある。例えばエンジニアが作った政党?であるチームみらいでは、Githubによる政策案の検討などを試みたりしている。
選挙でGitHubを使うことに意味はあったのか?――GitHubを用いた政策リポジトリの公開について振り返る|安野たかひろスタッフ@チームみらい【公式】
そんなGithubにおける共同作業の型はかなり便利で、複数人での共同作業の一つの標準を構成していると思うのであるが、そんなGithubの知的生産のパタンの特徴を書こうと思ったらなんとなく長くなってしまったので、続きは次の機会に改めようと思います。(といって次がないケースもありそう。。。)
良い週末をお過ごしください。(書いているのは金曜日の深夜。実に良い夜)