Webサイトやレポートなどを作成するとき、カラーリングやレイアウトももちろん重要なのですが、「どのようなフォントを使用するか」も、全体の見た目が「読みづらい」「古臭い」印象になる要因の一つであり、デザイン上の大事なポイントであるように思います。 というわけで、デザイナーさんのサイトで推奨されていたり、各種調査のリリース資料によく使われていたりするフォントをいくつかピックアップして、単純に「どれが好きですか」という質問をしてみました。
<調査概要>
  • 調査方法:Web調査(※MApps for Surveyを使用)
  • 調査時期:2019年8月14日~8月16日
  • 対象者:一都三県に居住する20~59歳の男女 計100サンプル

[ヒラギノ丸ゴproW4]が男女ともに人気

調査時には、各フォント名は提示せず、以下の8つの選択肢を提示して「どのフォント(書体)が最も好きか」を尋ねました。
最も支持者が多かったのは[ヒラギノ丸ゴProW4](25%)。次いで[ヒラギノ角ゴProW3](18%)[MS Pゴシック](14%)[ヒラギノ明朝ProW3](13%)が上位となりました。
性別にみると、男性、女性ともに共通して[ヒラギノ丸ゴproW4]がトップでしたが、男性では18%、女性では32%と、女性の支持率が男性を上回っています。
女性の過半数が、上位の[ヒラギノ丸ゴProW4]または[ヒラギノ角ゴProW3]のいずれかを選んでおり、『ヒラギノ』は特に女性から好まれています。 男性でも『ヒラギノ』は上位に入っていますが、他のフォントと比較して突出して人気があるというわけではありませんでした。

[ヒラギノ丸ゴ]は、かわいくて親しみやすく、読みやすいイメージ

それぞれのフォントのイメージを尋ねました。
「好きなフォント」上位3つについては、いずれも「読みやすい」が45%を超えています。第1位の[ヒラギノ丸ゴProW4]では「読みやすい」に加えて「かわいい」「親しみやすい」などのイメージも他のフォントと比較して高く、“親しみの持てるかわいらしさ”が人気の理由のようです。 第2位の[ヒラギノ角ゴProW3]では、丸ゴに比べて「かわいい」が低いですが、「すっきりした」「知的な」のスコアがやや高く、ビジネス文書では[角ゴ]の方が利用頻度が高くなりそうな結果です。

「MS Pゴシック」は男女ともに14%が支持

グラフィックデザインやWebデザイン上、『MS(Microsoft)』フォントの評価は高いとはいえません。デザインとして”よくない点”を指摘しているサイトを比較的よくみかけますが、男女のばらつきなく14%が支持しており、今回提示したフォント中では第3位の人気です。 前述の通り、印象としては「読みやすい」が45%と、「ヒラギノ丸ゴProW4」「ヒラギノ角ゴProW3」に遜色ないスコアです。これまで、Microsoft Windows 日本語版に標準で搭載されてきたゴシック体の和文フォントですので、仕事で利用している人も多いと思われるWindowsユーザーからすると、見慣れた読みやすいフォントなのかもしれません(普段の利用OSを尋ねておけばよかったなと思っています…)。

[游ゴシック]はすっきり、[游明朝]は知的でまじめな印象

Windows10やMacOSに搭載される『游』書体のフォントは、 個人的にはすっきりした雰囲気がかなり気に入っていて、今後使っていきたい“推し”フォントなのですが、 「好きなフォント」としてはあまり人気がありませんでした(※)。

※なお、本来の游書体フォントと、各OSに搭載されるフォントは一部異なる部分があるそうです。詳しくはこちら

ただし、それぞれのイメージをみてみると、[游ゴシック]は「すっきりした」、[游明朝]は「知的な」「まじめな」イメージがそれぞれ他のフォントと比較して高くなっています。小さい文字での長文や、込み入った図表に使用するなど、使い方によっては読みやすく、知的な印象を与える文書を作成することができそうです。 一文書あたりに使用するフォントの数は絞ったほうが圧倒的に読みやすいので、いくつも使いたいというわけではありませんが、調査報告書など、目的にあったフォントを選び、「美しくて読みやすいレポート」を目指したいと思います。