2025/12/09
【代表コラム】生成AIを語るうえで必要な用語はこれから生まれる
2025/12/09
代表コラムです。
しばらく勝手にお休みしておりました。すみません。
ぼちぼち復帰せよと言われたので、また書きたいと思います。
ムリ・ムダ・ムラをなくそうとは良くいいますね。でも個人的にはムリとムダは嫌いですがムラは多少はあっていいと思っています。
だってにんげんだもの。
さて、本題ですが、生成AIがどこまで人類の知的作業を代替するのか、しないのか。
みなさん興味津々だと思います。私もかなり興味があります。
最近話題なのはITエンジニア、プログラマ不要論。不要論は言い過ぎでもプログラミングの方法論に大きな変化が生まれたことはほぼ間違いない。
多分プログラミング言語はコンパイラやインタプリタにその形式的厳格性を認められなければ動作しないという極めて「型化」の進んだ情報学的パタンであるので、生成AIが真っ先に学習したパタンと言えるとは思います。ということもあり、プログラミングは大きく変わった。
とはいえ、その変化を非プログラマである一般の方にわかりやすく伝えるのはなかなか難しいと思うことがよくあります。
その原因を考えてなるべく対策を考えたいと思う今日このごろ。
一つの要因は「言語」にあると思うようになりました。多分我々はまだ生成AIの様々な側面や要素を語るだけの単語を持っていない。
わかり易い例ではないかもしれないですが、ライト兄弟が飛行機作ったときは「ザ・飛行機」しかなかったんだと思うんです。でも現代では戦闘機、旅客機や貨物機、ジェット機や複葉機といったように様々な目的や形式により使い分ける対象の細分化が行われる。時代とともに最高速度や最高到達高度、エンジン出力など、航空機の様々な側面を計測できるスペックの単位も揃ってくる。
そんな中で生成AIの登場という「思考・表現変換機械」の革命に対して、それの先にある未来を満足に語るだけの語彙がない。そんな風に感じます。
例えば、「それ生成AIでできますよ。」という表現があったときのことを考えましょう。
仮に、「人は月に行けますよ」という表現があったとして、もちろん間違えではない。しかしアポロ計画の当事者以外の大半の一般人にとってはほとんど嘘に近いぐらい非現実的な表現と言えると思うわけです。
それと同じようなことが、特に生成AIで生まれている。生成AIの大きな特徴は非決定論的に動作する、つまり不確実で同じ結果を返すことを保証しない機械であるということです。なので、生成AIの性能を大げさに評価、証明したいというセールス側のポジショニングトークとして、100回に1回でも満足な結果が出れば、「それ生成AIでできますよ。」と言えるし嘘にはならない。
しかし、現実に手を動かして試してみるとなかなかそんなにうまくは行かないということは実際に手を動かした人のみが実感できる感覚なのでしょう。
この「できますよ。」という表現が組織の中で流通することを考えるとなおのこと頭が痛くなる。しばしば言われている大企業の生成AIのPoC地獄やPoC貧乏の何割かはそうやってできているのだろう。
生成AIに限った話ではないと思いますが、そんな言葉で通じにくい先端世界でどうしたらイノベーションを起こしていけるのか。一つわかっていることは多分語るより手を動かす情熱のほうが優先されるということなのだと思います。
そんなわけでロートルの私ですが頑張って手を動かして(再開して)コラムを復活させていきたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。(レスがあると喜びます。)
参考)
生成AIの「PoC地獄」、脱出できない企業の共通点は?:CIO Dive – ITmedia エンタープライズ
デジタル活用を阻む「PoC貧乏」、脱出の鍵はアジャイル | 日経クロステック(xTECH)
PS
アイキャッチ画像は最近流行りのNano Bananaを使ってみました!できるやつですね!