平和産業としてのマーケティングリサーチ業【代表コラム】

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平和産業としてのマーケティングリサーチ業【代表コラム】

代表コラムです。何となく蒸し暑く、夏の匂いも感じられる今日このごろ、東京の夏が近づいてる気がします。

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大変悲しいことにイスラエルとイランとの軍事的衝突が報道されている。
私が今感じる日本の標準的な世論としては、イスラエルのネタニヤフ政権が攻撃的であるという理解が一般的であるように感じる。このことはアメリカのピュー・リサーチ・センターの少し前の調査によっても半ば裏付けられている。

Global views of Israel and Netanyahu, spring 2025 | Pew Research Center

リンク先では、ピュー・リサーチ・センターは日本を含む24カ国でネタニエフ政権に対する見解を調査している。それによると、日本はトルコ、インドネシアといったイスラム教の影響が強い国に次いで、ネタニエフ政権に対する否定的な印象の強い国である。

おそらく日本は世界でも稀な平和的感覚を持っている国なのだろう。おそらくその感覚は誇って良いことだと思うし、この国が第二次世界大戦の手痛い敗戦から平和的復興を経験したことと無縁ではないと思う。無論私もイスラエルを支援したい気持ちはほぼない。

しかしその一方で極めて個人的な想いだが、イスラエルが国として好戦的だとかイスラエル国民に対して否定的な気持ちになる必要もないということを主張したい気持ちになる。イスラエルが独裁国家かどうかは別にして、独裁国家の国民というものは得てして不自由である。そもそも自分の意見の主張する自由も与えられないからこそ、その国の政治家は民衆からのフィードバックを見間違い、戦争をする自由があると思ってしまうのかもしれないとすら思う。

その点で、限定的ではあるが世論調査、リサーチ業というものは政体の主張と民主的な市民の主張を分離して分析できるという点で素晴らしい技術だと思っている。もちろんそのためには一定の自由で開かれた民主的社会であることが前提だが、それさえ守られれば一定の範囲で市民の考え方が可視化される。そんな素晴らしい技術であるし、それを自分たちの生業(なりわい)として成立させうる、情熱を傾けられる貴重な存在だと個人的に思っている。

実際ピュー・リサーチ・センターの6月3日のレポートで、イスラエル国民に対する調査が実施されているようだ。内容を確認すると2023年の10月開始以来の2度目の調査のようだ。間違いなく調査環境は最悪だ。報道関係者が山のように犠牲になっている中で満足な調査が行われるはずもない。そういう点では極めて貴重なデータである。しかし残念ながらその一方でパレスチナ国家との平和的共存を可能だと考える割合は時系列で比較すると減っているとのこと。こういった不都合な事実に向き合えるリサーチ業を誇りたい。

イスラエル国民、永続的な平和への懐疑心を強める | ピュー・リサーチ・センター

無論、この調査の結果は極めて複雑なイスラエルの国民感情や調査に対する平均的態度を正しく読み取る社会調査的スキル、つまりデータ読むための政治的・社会情勢的な知識を持たないとおいそれと分析結果を批評できるものではないだろう。ただし、私は時系列調査の価値を知っている。つまり数年後かもしれないがいずれ世界が平和になるにつれて、今の調査のデータが比較対象としてなんらか平和になったことを証明する傍証になるかもしれない。その点で万難を排して調査はやるべきだと思うし、企画・実施した方に最大の賛辞を送りたい。

そんな極限状態の調査を例に出すのも気が引けるが、日本でもなるべく多くの人が世論調査やリサーチの社会的重要性を理解して平和な社会の一助になるサポートをしていただけるとよいなと日頃思ってます。個人的には世界が少しでも平和になってもらいたい。

今日は柄にもなく偉そうなことを書きました。これに懲りず今後とも宜しくお願いいたします。

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そんなわけで弊社は平和産業としてリサーチ業を営んでおります。そんな弊社でもリサーチャーを募集しております。

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アイキャッチ画像が微妙だが、これも生成AIの限界ということでそのまま乗せる笑