2026/10/27
JMRAカンファレンス2026登壇報告
2026/10/27
JMRAカンファレンス2026に「Slackに棲むリサーチエージェント」というタイトルでお話する機会を得ました。
私(佐藤)とエンジニアの小川とで登壇しました。現在私が企画・講師を務めております、JMRAのAIプログラミング講座の告知も兼ねての登壇となります。(ぜひこれを読んでいただいているみなさんもAIプログラミング講座へのご参加・ご協力ください)
リサーチャーのための「AIに書かせるプログラミングとデータ処理」講座(2026.11.17・12.01・12.15)
プレゼンの前半では私がAIエージェントを取り巻く背景やそのインパクトをなるべく正しく理解できるよう、社会情報学的な背景などを含めてお話ししました。
生成AIの誕生を一言で言えば「形式知の大半を内部に格納している、自然言語を使える機械」の登場。ということになると思っています。それより、「調査(リサーチ)」という作業がどの様に変わるのか?というところに根源的関心があります。
リサーチそのもののアプローチやより上位概念たる研究開発の科学的パラダイムそのものが変革する可能性もあるのですが、そのような背景の中でリサーチ産業としての位置づけを整理できるよう準備を頑張りました。具体的には日常的な「市場調査」(世論調査に近い)は、方法論として新規性は必要なく、世論や生活者の態度を正しく測定することに価値があるので、その手続に瑕疵がないことが重要であるという話をしました。
一方で、生成AIはこれまでの計算機の常識を破壊する「確率的・非決定論的に動作する」コンピュータでもあります。必然として一定の割合でミスが含まれることを否定できない。結果、間違えるコンピュータを使いながら、間違えてはいけないリサーチAIをどう作るのか、そのための要件が求められます。
我々の提案は、人間、生成AI(エージェント)、インフラアプリの3層で提供するというものです。三層目のインフラアプリは、弊社の既存サービスで言えば「ニーヨン」がそれにあたります。ニーヨンは調査に必要な情報を登録するだけで24時間以内に正しく実査された結果が得られるサービスです。そのような「間違えてはならない部分」をインフラシステムとして堅く作っておいて、それをAIエージェントから利用するのがおすすめです。

さてそのAIエージェントの例としては我々はHermesに注目しています。このHermesは様々な環境で利用できる、かつ長期記憶を持つエージェントソフトウェアであり、現在のAIの弱点をカバーするものです。今回はJMRAのSlack(インサイト部)や弊社の社内のSlackにHermesを導入し、最新ニュースの自動チェック、ニーヨンを使った調査画面の生成、さらに結果分析の自動化を全てSlackの中で完了するというデモを実現いたしました。
今後、クライアント様のSlackやTeamsで、Hermesボット越しに調査を依頼したり、結果分析が実現できる未来も近いです。そのような環境の中で、リサーチ産業としてどのような価値を提供することができるのか、あらためて考えてみたいと思います。
当日ご参加いただいた方ありがとうございました!少し難しかった、早口すぎるというプレゼン面での課題フィードバックもありがたかったです。一方でとても面白かった!、続きも聞きたいという嬉しい反応もいただきました。今回のJMRAカンファレンスはPHP脆弱性問題で来場いただけなかった会社様もいらっしゃると聞いているので、どこかでまたプレゼン内容をわかりやすくお話する機会を作れればと考えております。
あわせて、今回カンファレンスなどに初めて登壇した小川の感想も載せておきます。
初めての登壇でした。いちばん印象に残っているのは、AIを使ったライブデモの緊張感です。生成AIは同じ依頼をしても毎回同じように動くとは限らないので、Hermesからの返事を待っている間は、ヒヤヒヤでした。前半で「間違えるコンピュータとどう付き合うか」という話がありましたが、まさにそれを身をもって体験した形です。それでも、自分たちが取り組んできたことを、実際に動く形で見ていただけたのは大きな喜びでした。
弊社としては自らの学びを進めていくためにも、引き続き情報発信に努めてまいりたいと思います。