2020年の進路選択行動において、新型コロナウイルス(Covid-19)感染症の影響を無視することはできません。コロナ禍における「オープンキャンパス」の参加状況について尋ねました。
- 調査方法:Web調査(マーケティングアプリケーションズ社 MApps for Survey)
- 調査時期:2021年6月10日~2021年6月14日
- スクリーニング調査対象者:全国に居住する、高校・高等専門学校・大学・短大・専門学校・予備校に通う男女 1151名
- 本調査対象者:上記のうち、オンラインオープンキャンパスに参加した者 134名
2021年度進学者の27%が、学校の主催する「オンライン」イベントに参加
今春、2021年度4月に進学した層では、27%が「オンライン」でのイベントに参加。前年の2020年度までに進学した層ではこの割合が17%となっており、「コロナ禍」の期間の進路検討行動において、オンラインイベントへの参加率が大幅に伸びたことがわかります。
また、次に進学する【進学検討者】のうち、高校3年生では20%がオンラインイベントに参加しており、6月時点ですでに【2020年度までの進学者】における参加率を上回っています。
3人中2人が「進学先」のオープンキャンパスに参加。オンラインでは24%が参加。
また、3~4月に2021年3月高校卒業者を対象に実施した自主調査において、「進学先」のオープンキャンパスへの参加状況を尋ねたところ、全体の66%が何らか参加したと回答。「Webオープンキャンパス」への参加は合計で24%を占めました。
「Webのみ」の参加の場合、「満足した」は60%。他層と比較して相対的に満足度が低い。
オープンキャンパスへの参加満足度は総じて非常に高いものの、参加したイベントの組み合わせ別にみてみると、「Webのみ」の参加の場合は相対的に満足度が低くなっています。できるだけ「リアル+Web」の両方に参加してもらうことが満足度を高めるといえそうですが、状況によってやむを得ず機会の提供が「Webのみ」となった場合には、参加満足度を維持するために注意が必要です。
情報が断片的であることや、通信環境の不備などが不満要素に。
学校が主催する「オンライン」でのイベントに参加してみて、「今一つだと思ったこと」を自由回答で尋ねたところ、以下のような意見があがりました。
- 「実際に行ってみたかった」「学校の雰囲気がよくわからなかった」
- 「すべて断片的でよく見せるので実際はどうなのか」「設備の詳細がわからない」
- 「生徒の意見が少なかった」「生徒の声を聞けなかった」
- 「定員の締め切りが早い」
- 「待ち時間が長い」「見れない」「通信環境」
リアルな体験とは異なる部分を補完し、'具体的'と感じられる情報を提供できているか、また参加の際にストレスがないかなど、評価をその都度把握しておく必要がありそうです。
定着しつつある「オンライン」イベント。スムーズな運用のために、定期的な評価と見直しが必要。
コロナ禍で参加率が上昇した「オンライン」での学校紹介イベントですが、リアルとオンライン間での役割の与え方など、急速な対応を迫られた学校も多かったのではないでしょうか。オンラインでのイベントは、今年度の参加率も高いことが見込まれ、今後、進路選択のための重要な情報源として定着する可能性が高いと思われます。定期的に実施内容を振り返り、高校生に「必要とされる情報」を適切なタイミングで提供していく必要があるのではないでしょうか。
詳細データダウンロード
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【自主調査結果の引用・転載について】
この記事は、アンド・ディ自主調査全質問項目から抜粋し作成しています。「(株)アンド・ディ 〇〇調査」など出典を明記の上で、引用・転載をしていただきますようお願いいたします。またその際、ご利用される旨をご連絡ください。