第六波がやってきた。首都圏も蔓延防止措置。
第五波収束以降の短かった小康状態を終え、再び外出をひかえる必要が出てきた。リモートワークを余儀なくされる会社も多いだろう。
個人的に広義の情報産業と呼ぶ、特段物理的な財を生産しない組織(例えば地方や海外に工場を持つ大企業の本社セクションや、弊社のような小さなマーケティングリサーチ業等)では情報生産・変換が業務の中心のはずだから、リモートワークを導入しやすいはずだ。
しかし、リモートワーク導入の生産性への影響は組織の文化やリーダーシップにより様々なバリエーションがありそうだ。月並みな見方だが、ある程度業務の経験があるベテラン・中堅はルーティン化されやすくまだ良い。成長途中のフレッシュな人材は新しい仕事に取り組んだときの受け止め方や反応がであるので、その影響をリモートで把握するということはなかなか困難だ。結果として若手人材の成長という意味でネガティブな影響をもたらしやすいだろう。
一方で、リモート化に伴うテキストコミュニケーションの重視による変化も無視できない。会って反応を伺いながら話ができる機会は貴重だから、相手に何かを説明する際に、基本的な自分の認識や目指しているゴール、そのためのタスクリストをおしなべてテキスト化することが求められる。
さらに、そのテキストを組織内に公開することで、誰が何のためにどう動いているか?ということがある程度組織内で透明化されるので、リモートワークによるブラックボックス化の影響を予防できることもある。
もっとも、コロナ以前から業務のロジカルさを重視せざるを得ないプログラミング業務ではこれらのテキスト化ができることが重要なスキルだった。そのためのオープンなテキストコミュニケーションをするためのプラットフォームとしてSlackが普及してきている
それがいま、全てのビジネスワーカーがSlackなどのテキストメッセージングツールを使ってオープンさを意識した仕事のやり方を強制させられるようになってきている。
こうなるとむしろ辛いのはベテラン・中堅ではないか。ルーティン化されている業務というのはある程度その背景やなすべきことを言語化する必要なく動かせるものであったが、それを新しい若いメンバーも含めて言語化する必要が出てきている。ベテランにとってのリモート化の本当の難しさはそのあたりにあるのかもしれない。
肌で感じるリモート化の恐ろしいところは、周りのメンバーの働いている姿が見えないことだ。誰も見てない環境では、つい目の前の誘惑に負けたりすることもあるだろう。その点でリモート化はメンバの業務モチベーションを試す部分がある。最近流行りの「パーパス経営」ではメンバーが会社の存在意義たるパーパスを共有することが重視されるが、物理的空間を共有しないワークスタイルを強要するコロナ禍において、改めて組織のパーパスがどの程度共有され、お互いを思いやる組織ができているのか?ということが問われているように感じる。
次回以降アンド・ディのパーパスについて整理できればと考えています。
それでは皆様良い週末をお過ごしください。