2026/09/15
生成AIでリサーチャー業務はどう変わったのか
2026/09/15
株式会社アンド・ディのリサーチャー、Kです。
2026年、「エージェント型AI*」がエンジニア以外でも使えるようになり、リサーチャーの業務が激変しています。集計結果をExcelにまとめ、グラフを作り、数字を確認する。リサーチャーなら誰でも日々こなしている作業です。私は今年の4月から、こうした作業を「Claude Code(クロード コード)」というAIツールに任せ始め、もうすぐ半年になります。手順を整えておけば、過去10年分以上のデータのダウンロードから整形、集計、グラフ作成まで、途中で指示を出さなくても最後まで進めてくれるようになりました。
Claude Codeは、エージェント型AIと呼ばれる種類の生成AIです。ChatGPTのようなチャット型AIは、質問して答えをもらい、また質問する、というやり取りの繰り返しでした。エージェント型AIは、最初に一度頼めば、自分で計画を立て、PCの中のファイルを実際に操作し、結果を確かめながら最後まで進めて、完了報告をしてくれます。
ただ、作業は自動化できても、どのようにまとめるか考えたり、結果をどう解釈して伝えるのか考えるのは自分の仕事です。作業をAIに任せた分、そうしたサーチャー本来の仕事に時間を使えるようになった、というのがこの半年の実感です。入社1年目の私がどう取り入れてきたか、備忘録を兼ねて一例としてまとめます。

9月でちょうど入社して1年が経ち、AIは頼れる相棒のような存在になりました。この間、AIを使う時間が長くなったことで「AI疲れ**」を経験しましたが、現在では解消しています。
気をつけたことは、下記の3点です。
指示の出し方とAI自体の機能の両方を工夫することで、AIが自律的に仕事を進めてくれるようになりました。AIを便利に使えるようになっただけではなく、この経験を通して、社内エンジニアとの協業がスムーズに進められるようになりました。
25年ほど前、大学の必修科目としてプログラミング言語の授業を受けましたが、その時は全く面白さがわからず、自分には向いていないと思い、社会人として十数年、実験系の仕事をしてきました。その自分が今やバイブコーディング(vibe coding:コードを書かずにプログラミングする)をしているのですから、生成AIの進歩には驚かされます。
この半年で、今まで2人で分担して進めていた繰り返しの多い集計作業を自動化することができました。そこで空いた時間は、調査の企画・設計などリサーチャーとしての判断が必要な仕事に回せるようになりました。また、どの切り口で集計するか、出てきた数字をどう読むか、AIが材料を提供してくれます。ただし、最終的に判断するのはこれからもリサーチャーの仕事だと感じています。
振り返ると、エージェント型AIを使うために必要だったのは、プログラミングの知識ではなく、「やりたいことを伝わる言葉にする力(言語化)」と、実験で培った「出てきた結果をきちんと確認し、試行錯誤(トライアンドエラー)を繰り返す姿勢」でした。どちらもリサーチャーに求められる能力と重なっています。とはいえ、初めて触れる分野に戸惑うことも多かったので、社内エンジニアに不明点を確認できる環境に助けられました。
弊社代表の佐藤がJMRAの教育研修委員会・業務AI活用教育部会で2つのAI活用のセミナーを開催します。セミナーには弊社のエンジニアのサポートも組み込まれていますので、ご興味のある方はぜひ詳細をご覧ください。
*エージェント型AI:ループの中で自律的にツールを使うLLM(文章を扱う生成AI)
**AI疲れ:生成AIを日常的に使う中で、指示の出し方を考え、出てきた結果を確認し続けることで生じる精神的な疲れ
***オートモード(auto mode):許可ボタンを押す必要がなくなる。使用する際は、対象範囲を指定するよう注意が必要。
<エージェント型AIのイメージ図>