新型コロナウィルスの影響により、自宅勤務が推奨され、電話会議やチャットツールを早急に導入された方も多いのではないでしょうか。とはいえ、自宅での仕事・学習スペースや通信などのハード面・インフラ環境は、それほどすぐに変化・改善できるというものでもありません。そこで、現状の自宅でのインターネット接続環境や、オンラインツールの利用状況に関して、2020年に入ってからの変化も含めて調査しました。

<調査概要>
調査方法:Web調査(※MApps for Surveyを使用)
調査時期:2020年4月4日~4月10日
対象者:本調査:全国に居住する20-59歳の男女  計5174名
    追加調査:上記のうち条件該当者 計800名
※LINEなどでの音声通話・ビデオ通話、オンライン会議や授業の受講、飲み会などの参加経験者

【自宅の環境】何らかの“専用スペース”がある人がほぼ半数

自宅での仕事や勉強のための専用のスペースがあるかどうかを尋ねたところ、全体の53.3%が何らかの”専用スペース”があると回答しました。その一方で、30〜40代女性の約6割が「専用スペースはない」と回答しています。

ちなみに、専用スペースの有無に関連のありそうな背景要因についてですが、今回の回答者の居住する住居の形態は、戸建て54%、マンション43%。同居の家族構成については、一人暮らしが17%、同居の子供のいる人は45%程度です。また居住エリアとしては首都圏居住が36%を占めていますので、これらの属性によっては状況が異なりそうです。

自宅の環境

【インターネットに接続して利用している機器】スマートフォン、ノートパソコンが突出

インターネットに接続して利用している機器の種類を尋ねたところ、「大手キャリア(ドコモ、AU、ソフトバンク)のスマートフォン」(59.9%)が最も多く、次いで「ノートパソコン(Windows)」(47.8%)、「MVMO回線のスマートフォン(ワイモバイル等の格安スマホ)」(24.2%)、「デスクトップパソコン」(23.9%)となっています。スマートフォンの利用はのべで84.1%となり、最も手軽にインターネット接続に利用されているのが、スマートフォンだということがわかります。

インターネットに接続して利用している機器

【インターネットの固定回線の種類】「光ファイバー」が7割を占める

固定回線利用者が自宅で利用しているインターネットの回線は、「光ファイバー」が全体の72.9%と、「ケーブルテレビ」(14.5%)や「ADSL」(7%)と比較しても突出して高くなっています。

インターネットの固定回線の種類

【動画の視聴や操作】モバイル端末での動画視聴は、42%が週1回以上利用

週1回以上実施している動画の視聴や操作に関しては、「スマートフォンや携帯電話などで、15分以上の動画を視聴する」が全体の42.2%となり、特に20代の男女では65%以上と他の世代の利用と比べて割合が高いことがわかります。「パソコンで、15分以上の動画を視聴する」(31.5%)は男女差が大きく、どの年代でも男性の利用率が高い傾向にあります。

一方で「動画を撮影する」(10.1%)、「SNSに動画をアップする」(9.1%)は約1割程度にとどまっています。これらは、女性の20~30代で利用率が高くなっています。

動画の視聴や操作

【動画視聴の状態】「特にトラブルはない」と感じている人が7割

動画を視聴するときの状態についてを尋ねたところ、全世代の約7割が「特にトラブルなく、サクサク見られる」と回答しており、対象者の自覚としては「動画の視聴に支障がある」と感じている人は少ないことがわかりました。

動画視聴の状態

【オンラインミーティングへの参加経験】オンライン会議は13%、オンラインレッスンは8%程度が経験あり

『オンライン会議』『オンライン授業・レッスン』『オンライン飲み会』は、経験のある人はいずれも少数派であるという結果が得られました。

『オンラインで行われる会議』は「2019年以前から行っていた」が10.1%、「2020年になってから行い始めた」が3.3%を占め、合計でも13.4%と1割強にとどまり、新型コロナウイルスの影響で「2020年から始めた」人が多いといった傾向は見られませんでした。ただし、男性20代、男性30代では「2020年になってから使い始めた」割合が6〜7%と他の世代より高くなっています。

『オンラインで行われる授業・講義・レッスンなどの視聴・参加』の経験があると回答した方は、全体の8.3%を占め、女性(4.5%)に比べて男性(7.9%)の方が割合が高い傾向にあります。また、男性20代では「2020年になってから行い始めた」が7.3%と、他の性・年代と比較して突出しています。

オンラインミーティングへの参加経験

【利用しているチャットツール】 「Zoom」と「Skype/Skype for Business」が1割弱で拮抗

オンライン会議などに参加することがある人に対して、利用しているアプリ・ソフトを尋ねたところ、「Zoom」と「Skype/Skype for Business」が1割弱で拮抗しています。特に男性では、「Zoom」「Skype/Skype for Business」の利用が10%を超えています。

利用しているチャットツール

【ビデオチャットツールの利用方法】アプリをインストールして利用が多数

ビデオ会議チャットツールの利用者に対して、利用方法を尋ねたところ、「パソコンに、アプリをインストールして利用している」が55.2%、「スマートフォンに、アプリをインストールして利用している」が44.8%と、アプリをインストールして利用する人が多いことがわかります。

ビデオチャットツールの利用方法

新型コロナウイルス感染症に関する自主調査結果

第2回 「家で過ごす時間」の変化に関する調査
第3回 休校期間の勉強に関する高校生調査
第4回 2020年4月の美容に関する行動
第5回 信頼している「コロナ情報源」に関する調査