COVID-19感染対策として4月7日に緊急事態宣言が発令されてからすでに1ヶ月以上が経過しました。経済産業省がまとめた4月20~26日のPOS(販売時点情報管理)データの解析結果では、家電量販店でのパソコンの販売額が増加した一方、ドラッグストアでの化粧品販売額が急減するなど、「在宅勤務」の影響と思われる消費行動の変化が顕著に表れています。通常のように通勤・通学している期間と比較して、メイクや身だしなみ、美容にまつわる行動にはどのような違いがあったのか、20~69歳の女性に対して調査しました。
- 調査方法:Web調査(マーケティングアプリケーションズ社 MApps for Survey)
- 調査期間:2020年5月11日~2020年5月12日
- 調査対象:全国に居住の20~69歳女性
- サンプル数:300名(年代10歳刻みで均等割付)
就業者・学生のうち、4割程度が在宅勤務・受講を実施
まず、対象者のうち就業者・学生の方に対して、2020年4月1日~4月30日の1か月間、在宅での勤務や受講が何%程度あったかを尋ねたところ、58%は「0%」と回答しましたが、42%が在宅・受講機会があったと回答しました。その中でも、「100%」の人が12%となっています。また、17%がオンラインでの会議や授業への参加機会があったと回答。10%は週1回以上参加したと回答しており、特に20代女性でオンライン会議・授業への参加率が高くなっています。
メイクなどを週5回以上実施した人は40%。3月までと比較すると19ポイント減少。
身だしなみや髪型を整えたり、メイクをしたりする頻度がどの程度あったかを尋ねたところ、3月までの状況では「毎日」または「1週間に5~6回程度」実施していた人が合計で59%となっていますが、この4月については合計40%と、19ポイント減少しています。
サンプル数が少ないのですが、期間中100%在宅勤務・受講であった層では、通常期には週5回以上行っている人が合計62%を占めるのに対し、4月は合計21%と大幅に減少。ただし、「まったくしていない」というわけではなく、「1週間に1回程度」「1か月に2~3回程度」が増えています。おそらくはオンライン会議に参加するなどの”必要と思う”機会にだけ実施した様子が見てとれます。
4月に行ったトレーニングでは、「ストレッチ」31%がトップ。
自宅で過ごす時間が長かった期間、運動やトレーニングをどの程度行っていたか、頻度を尋ねました。週1回程度以上実施していた割合をみると、最も多いのは「ストレッチ」31%、次いで「ランニング/ウォーキング」25%、「ウエイトトレーニング/筋肉トレーニング」14%が上位となっています。40代以下の女性では「ストレッチ」が、50代以上では「ランニング・ウオーキング」が最も多くなっています。
また、期間中100%在宅勤務・受講であった層では、各項目とも他の層よりスコアが高く、運動・トレーニングをする機会が多かったことがうかがえます。特に「ストレッチ」は54%と過半数が実施している他、「ヨガ/ピラティス」29%の実施率も他の層に比べて突出して高いという結果。意識的に運動する機会を作っていたと考えられます。
運動の目的は「健康維持」が突出。次いで「リラックス・リフレッシュ・気分転換」。
いずれかのトレーニングを1回でも実施した人に、その目的・理由と、効果を実感できたものについて尋ねたところ、目的・理由としては「健康を維持・改善したい」70%が突出して高く、次いで「リラックス・リフレッシュ・気分転換したい」46%、「体重を減らしたい」43%などが上位でした。
達成・効果度実感できたものとしては、「リラックス・リフレッシュ・気分転換したい」29%が最も高くなっており、実施したうちの3人に1人は、リラックス効果が得られたと回答しています。また、これに僅差で「健康を維持・改善したい」「体のコリやハリを改善したい」が続いており、気分をリフレッシュする効果以外にも、体調を整える効果を実感している人が少なからずいることがわかります。
筆者は通常期は週2~3回程度ジムに通ってどうにか体調を維持していたのですが、この期間中はどちらかというと料理を作って食べることに楽しみを見出してしまい、体重は目も当てられない感じになっております。後半になってようやく縄跳びや筋トレを始めたものの運動不足感は否めず、緊急事態宣言が解除されたらどうにかペースを元に戻したいところです。一方、メイクの頻度が少なくなったことから、肌の調子が改善したという実感もあり、今後はほどよく外出しほどよく在宅勤務すると、ちょうどいい感じになるのでは…といった調子のいいことも考えています。この期間の生活や意識の変化は、解除後の今後、元に戻るのかそれともそのまま定着するのか、非常に興味を感じます。
新型コロナウイルス感染症に関する自主調査結果
第1回 自宅でのインターネット接続環境に関する調査
第2回 「家で過ごす時間」の変化に関する調査
第3回 休校期間の勉強に関する高校生調査
第5回 信頼している「コロナ情報源」に関する調査