多くのDMOや自治体さまにおいては年度末となり、観光マーケティングにおいて調査結果を用いた振り返りのタイミングを迎えられていると思います。
弊社アンド・ディでは、2015年以降全国各地で観光客満足度調査を実施しており、各観光組織のKPIとなる「総合満足度」「消費金額」「リピート率」を始めとするデータを取得しており、今回は、2021年に実施した「観光客満足度調査」の結果と観光客の傾向についてご紹介いたします。

2021年度の観光客満足度調査結果

2020年1月以降、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2021年度の日本人国内旅行消費額は2019年度に比べ-58%と、過去最低の水準となりました 。

弊社実施の『観光客満足度調査』の結果について2021年度・2020年度を比較すると、【リピート率】【総合満足度】が上昇し、消費額は日帰り・宿泊旅行者共に下降しました。

2021年度の特徴

2021年度の特徴としては、調査地域近隣からの来訪者が増加しました。このことが、【リピート率】【総合満足度】に影響を与えています。

まず、近隣エリアからの来訪のため、調査地域に複数回訪れたことがある人が多く、リピート率が大きく上昇しました。
また、近隣エリアからの来訪者が増加したことに伴い、2020年度と比べて日帰り旅行者が36.6%→48.6%に増加しています。日帰り旅行者のなかでも、「半日滞在」の割合には変化がありませんが、「1日滞在」が10ポイント以上伸長し、日帰り旅行者の滞在時間が増加しました。

総合満足度はもともと滞在時間の長い層ほど高く、日帰り旅行者よりも宿泊者で高くなる傾向があります。2021年度は宿泊者の割合こそ減ったものの、日帰り旅行者の中でも長時間滞在する人が増加したことで、総合満足度の「大変満足」が上昇したと考えられます。

滞在中の体験内容・評価データからわかること

弊社の調査では、KPI指標の他に「滞在中の体験内容」及びその「評価データ」も取得しております。一概にKPI指標の平均だけで旅行者の傾向は掴むことができません。

例えば、調査実施エリアの観光資源の違いで見ると、宿泊客主体の<温泉地をメインとするエリア>においては、【宿泊費】は増加したものの、【飲食費】【買い物費】が減少し、宿以外での消費がほぼ見られないという傾向が見られました。

<温泉以外の観光資源をメインとするエリア>では、「自然鑑賞・散策」の体験率が増加、「街並み散策」は減少しました。日帰り旅行者の滞在時間が伸びたとしても消費額は大きく減少し、特に【飲食費】【買い物費】が大幅に減少する傾向も見られました。

2021年度も続いた新型コロナウイルス感染症の影響から、旅行のあり方は、以前の「周遊型旅行」から、人込みや不特定多数の人との接触を避けた「自然鑑賞・散策だけ」「宿泊施設内の滞在だけ」といった「狭域での滞在型旅行」に変化したのだと感じます。

2022年ゴールデンウィークにやるべき施策

現状では、感染者数もピークアウトを迎え、このまま感染者数が減少すれば、気候も良いGW頃は旅行者の人流もかなり戻るのではないかと予想されます。
今回の調査結果から、今やるべき施策として、感染対策を踏まえたエリア内での「周遊」をご提案いたします。例えば施設の混雑時間の情報を提供する・施設内での土産物などの販売を屋外でも行うなど、容易にできることから試し、少しでも域内での周遊促進を試みてはいかがでしょうか?

手軽に「観光客満足度調査」を実施してみませんか?

弊社では、観光客満足度調査を簡単に・早く・安くスタートできる「トラベラーインサイト」をリリースいたしました。
是非観光マーケティングにご活用ください。

トラベラーインサイトサービスページはこちらから
来訪者満足度調査とは