10月1日 13:00より【アンド・ディ観光セミナー#2】を開催いたしました。おかげさまで多数の方にご視聴いただき、誠にありがとうございました!
セミナー概要
登壇者
- 株式会社アンド・ディ リサーチ事業部 シニアリサーチャー 奥田理
- 同 チーフディレクター 黒澤聖子
テーマ
- ①観光マーケティングの変化と今できること:9月連休前後自主調査速報のご報告とデータご提供について
- ②観光におけるサービスプロフィットチェーンマーケティング:“観光地域づくり”における好循環を創るための基礎
セミナーで解説したデータの一部をご紹介します
7月に行った自主調査では、7月の連休に国内旅行に出かけた人が2割弱という結果でしたが、9月の連休ではどのような状況だったかを調べました。
<調査概要>
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査((株)マーケティングアプリケーションズのMApps Panelを利用)
- 対象者:東京都、長野県、愛知県、九州に居住する20~69歳男女 計491名
- 調査期間:①2020年9月12日~15日 ②同年9月23日~9月27日
なお、対象エリアは、以下の考え方で選出しています。
- 長野県:「宿泊旅行統計調査」(観光庁/2019年の確定値)の「外国人延べ宿泊者数」が全国平均値に近く、かつ主要4国際空港(成田、羽田、中部、関西)のうち、成田、羽田、中部からの移動が約3時間以内、また、東京駅からのアクセスが容易であること
- 東京都・愛知県:「長野県」が「県をまたいだ旅行先」として選択肢に入る都市圏であること
- 九州:県をまたいだ移動が、圏内で実施される可能性があるエリアであること(主に「福岡県」と「福岡県以外」間での移動)
9月の連休中に旅行に出かけた人は、7月時点より12ポイント増加

9月の連休中に国内旅行に出かけた人は29.7%。7月の連休時(17.8%)と比較して11.9ポイント増加しました。東京都、長野県、愛知県それぞれの在住者のいずれでも7月より増加しています。
また、今回から調査に追加した九州在住者では33%が国内旅行に出かけており、他のエリアと比較して実施率が高くなっています。
半数が、今後の旅行で「Go To キャンペーンやクーポンを利用した旅行を計画したい」

今後の意向を尋ねたところ、「Go To キャンペーンや地域が発行する割引クーポンなどを利用した旅行を計画したい」人は51.9%。おおよそどのエリアでも5割~6割程度が同様に回答しています。
7月時点と比較すると+17.4ポイントと大幅に増加しました。
感染者数が250人程度であれば「旅行に行きたい」人「行きたくない」人が拮抗

全国の感染者数がどの程度になったら旅行に出かけるかを尋ねたところ、[3000人程度]から[500人程度]までは合計で半数以上が「行きたくない」と回答していますが、[250人程度]であれば、「行きたい」35.2%、「行きたくない」36.9%がほぼ拮抗しています。
9月に旅行を実施した層では、[500人程度]でも合計で3割以上が旅行に「行きたい」と回答しており、実施していない層と比較して”心理的なハードルが下がった”状態であることが推測されます。
リサーチャーの視点
9月の連休明けに、各地の混雑状況に関する報道をよく目にしましたが、調査にも、7月に比べて旅行に出かけた人が増加したことが現れています。Go To キャンペーンの利用意向も上昇しており、9月の連休中の旅行でも特に宿泊旅行でGo To キャンペーンを利用した人が多かったようです。
「旅行に行きたい」という意向は高まっており、実際に出かける人も確実に増加中ですが、感染者数と意向の関係を見る限りでは、まだまだ慎重な人も多くいると考えられます。記事ではご紹介しておりませんが、県をまたいだ宿泊旅行にでかけた層では、「旅行先での感染対策がきちんとしてあり安心した」という人が半数近くに上っていました。”安心できる対策”が提供されていることで旅行者は安心し、次の旅行への期待を高め、また周りの人たちにも少しずつ波及していくのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症に関する自主調査結果
第1回 自宅でのインターネット接続環境に関する調査
第2回 「家で過ごす時間」の変化に関する調査
第3回 休校期間の勉強に関する高校生調査
第4回 信頼している「コロナ情報源」に関する調査
第5回 2020年4月の美容に関する行動
第6回 GoToトラベルで7月連休の旅行はどう変わった?【新型コロナ関連自主調査】